2012年、勝沼への旅

 たとえば、お楽しみが待っているからこそのデスマーチな今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
 例年(最近は11月も多いが)秋口になると勝沼に行ってワインなぞをたしなんで温泉入るのが恒例なのだが、今年はデスマーチレベルの作業があったので本当にこれを心の励みとしてがんばった次第。
 エントリーとは少し離れるが、大規模サイトのリニューアルで、ことの始まりは去年の秋。「来年、10周年っすねぇ」という話があがり、体感的には今年の春頃から検討し始めて、5月の連休明けからデザイナー側の作業、6月から本格化、夏休み明けからまきが入って、9月に仮サーバーを立てての準備、9/18から本格的に変更作業、9/30にマックス作業した、というところ。最終日に至っては、台風のせいで電車で帰れず、結局居酒屋の朝までコースでビールを12~3杯飲んだところでラストオーダー、そのまま帰って4時間ほど寝て、月曜日の朝礼に間に合わせるというスケジュールで、作業自体よりも徹夜のほうがつらかった1日。


 はてさて、後始末もぼちぼち片づいての6日の土曜日。朝7時に起きて、さくっとシャワー浴びて、8時に出て、御茶ノ水~日野~高尾と乗り継ぐ。待ち合わせは10時半だったが、そこはそれ。勝手知ったる高尾駅なので、朝飯がてら改札を出る。
 たしか、出てすぐのところにそば屋が…と思ったら開いてないので、お隣のドトールでモーニングセットをいただく。少々足りないので、マクドのモーニングセットもいただく。京王ストアで水2リットルとつまみ、ビールを買ってS氏と合流、ホームにとまっていたのでそのまま乗車。高尾11:01発~塩山12:13着。お手洗いに行ってからぶどうまつり会場行きのシャトルバスに乗車。せかせた割には、運転手もトイレだったらしくてすぐには発車せず。
 バスに揺られて10分ほどでまつり会場の駐車場に到着。ガン晴れ。もう汗をかきつつ、少し登って中学校の校庭が本日メインの勝沼ぶどうまつり会場。ただ、その人の多さにびっくり。実質、ここに来るのは3年ぶりなので、「いくらか賑やかならいいよね」と思っていたが、それを上回る人手。それと、実行委が用意した無料試飲ワインとぶどうジュースのブースが異常な人だかりで、一瞬、テイスティンググラスを買うのにも並ぶのかとびっくりした次第(結局、そっちは数人ほどで、どちらかというとやりとりで混んでいた感じ)。
 グラスを持って、グリッシーニをかじりながら、ワイナリーブースの端から行こうとおもったら、校庭中央にもアホのような行列が。なんだろうと思いつつ、目の前のワイナリーからいただいていく。今年は、赤は後回しにして白を中心に責めていき、(上からでいえば)お眼鏡にかなったところだけ赤を飲む作戦。単純に、暑かったので赤の渋みや深みを考慮する意識が薄かったり、冷えた白をゴクッと飲みたかったからかも知れないが。
 いくつか気に入ったワイナリーもあって、珍しくサッポロの★マークも目にする。見たことあるフォーマットのラベルに「山梨」と書いてある。あれっと思って聞いてみたら、「山梨県産ぶどうのワインは、ワイナリーだけなんですよ」とのこと。北海道産のはお店で見たらよく飲んでいたのだが、なんとまぁ珍しい出会いもあるものだ。
 はてさて、ワイナリーを飲みきってから、出店のほうを目指すと、先ほどの列の正体がわかった。なんでもぶどうの無料配布列らしく、しかも「こちらの列は終わりました」との看板が立ちはじめると、蜘蛛の子を散らすかのように人がいなくなった。もちろん、ルールというかレギュレーションというかマナーというか、それらではいいんだろうし、むしろ「パパはワインでママはぶどう、ボクらは出店のかき氷」とかだろうけれども。こっちは完全に、「酒、ワイン、以上」で来ているし、どちらかというとそっちの人のほうが多い印象があったので。最近、「ギネス記録に挑戦するために、600人分の○○を作って来場者に配って~」とか「旬を迎えた○○を商店街では配布して~」なんてニュースで、「どこそこから来ました」って、そっちのほうが高くない?というのもよく見るような気もするし。
 出店では、地元農家が取った野菜を揚げたり焼いたりしたところもあって、かつてのように「テキ屋が幅を利かせて、地元婦人会が端っこでやっている」という感じでは無くなっていた。やっぱり暴対法の関係? こちらとしては単純に選択肢が増えたのでありがたい。
 一通りみて、最初のカレー屋さんがよさげだったので、そこのタンドリーチキンと、出口付近のパン屋をチョイス。座る場所を探していたら、偶然テーブル席が空いていたので、そちらに座って、これなら牛ステーキも行けるよね、と追加で購入。なんなら、ワインもボトルで買えば良かった。
 一とおり、満喫してから、「いっそ、さっきのワイナリーいく?」と適当プラン発生。地図を見ると、「まるき葡萄酒」に行ってから、帰りしなで「イケダワイナリー」「中央葡萄酒グレイスワイナリー」、そして「大和葡萄酒」と行ける感じなので、早速実行。途中、シャトー・メルシャンがあって、リニューアルしたらしいというので立ち寄ると、いまいちスタッフ数が少ないのか、試飲エリアのレギュレーションがわからないので、そのまま退散。向かいの蒼龍葡萄酒でお手洗いを借りて、歩くことに。
 一番最初に来た時のルートを逆にいくイメージだったが、さらに先にすすみ、国道20号の勝沼バイバスを渡っての、まるき葡萄酒。しかも最後は勾配率10%という急な坂(100m進んで10mの高低差なので、そりゃ相当きつい)を登って、汗を拭き拭き、息も絶え絶えでお店の中へ。クーラーの前でしばらく休ませてもらってから、「まつりでよかったので来ましたが、あっちでは赤が無くて」という話からひとしきり試飲して、スタッフへのお土産込みで1万2千円ほどご購入(ほとんどはS氏だが)。最近流行のタイプではないがちゃんとした味が感じられたので、久しぶりに一升ワインを買ってしまった。
 はてさて、急坂を下りて、横にずれると看板も少ない真新しいお店があるので、そちらイケダワイナリーに立ち寄る。が、まつり会場と同じく、赤白3種類ずつで、しかも7月にリニューアルしたばかり、という、いささか殺風景な場所での試飲。味はいいので、最終確認をしてS氏は1本ご購入。
 都合15分くらいで出て、中央葡萄酒にて、白の試飲。と思いきや、ライトなラインもあったので、そちらも一とおりいただき、5月の新婚夫婦へのお土産などで、こちらでも1万円以上ご購入(おもにS氏が)。やはり、ここは美味しいなぁ。
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 そして、シャトレーゼでアイスを買って、ほおばりながら大和葡萄酒へ。先ほどイケダで出会った女性2人組っぽい方が先客でワインを試飲中、こちらは目もくれずに「ビールを2つ」と。
 去年のツーリズムのときにもいらした、おじいさんの説明を聞きながら、ワインの試飲。なんでもスパークリングを作ったらもう銀賞を取ったとか、2年連続だとか。ビールを造ってきたノウハウが活かされているからだとのこと。偶然にも、以前はマルキでも説明をされていたようで、さっき行ってきたんですよと、盛り上がる。こちらでもスパークリングを中心に1万円ほどご購入(中心はS氏)。だいぶ日も暮れたあたりでタクシーを呼んでもらって、あとにした。
 すぐに温泉入って、露天のほうでゆったりしていたら、隣にきたおじいさんが、「19時からの花火はどっちにあがるのかね」と聞いてくる。はてどちらかと思ってもわからないので、その旨返答して、そうか、鳥居焼きだの花火だのは19時からか、と思って、せっかくだからそれまで入っていることに。時計が手元に無く、またメガネがないと何も見えないので、なんとなく鳥居焼きのほうをみながら10分、20分、結果30分近く湯船につかっていた。いくら、露天でぬるいとはいえ、普段シャワーで済ませている人間が、そんなに入っていいわけも無く、少し心を(ある意味、心臓も)落ち着かせてから脱衣所へ。ひとしきり身体を拭いて肌着を着けて、籐いすにどっかと腰を据えて、5分くらいしてなんとか動けるようになる。と、そこで、湯船とは反対側の窓から花火が見えた。しばらくそこから見ていたが、何のことはない外に出れば目の前じゃん、ということで取り急ぎ外に出て、カメラを構える。結局、今年の夏は花火を見られなかったので、意外なところで見られていい感じ。
20121006_pa061406.jpg あとは、土産物をチョイスして、新しく出来たほうとう屋で夕食。13時~14時にぶどうまつり会場でパンを食べたきりだったのを思い出す。ほぼラストオーダー(20時)に入って、30分ほどかけてゆっくり食べきって、なんとか落ち着いたところで、勝沼ぶどう郷駅を目指す。
 勝沼ぶどう郷21:02発~大月21:25着、大月21:30発~御茶ノ水23:25着、御茶ノ水23:31発~本八幡23:55着と乗り継いで本日の旅は終了。大月から座って、ほぼ寝通したのである意味よかったかも。やはり新しい酒との出会いは楽しい。