琥珀色のゆめ

 たとえば、「好きなお酒は」と聞かれて「ウイスキー」と答えるのは大人っぽいのか、俗っぽいのか悩む今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
 前のエントリーからこちら、死人にむち打つようなことはしないだろうし、また普通のスポーツ紙を見ているからもあるだろうけど、追悼一色。たいていレスラーなんてものは、「俺が一番」と思って対立して、袂を分けたりするくらいなのに、悪く言う人がいないところに、三沢選手の人柄がでているのだと思う。


 はてさて。冒頭のように、最近は「好きなお酒は」ときかれると「ウイスキー」と答えるようになった。というと、「小雪のCMでしょ」と言われて、さも小雪に惹かれて角瓶を買っているかのようにいう人もいるが、「あんなバーがあったら通うだろうな」と思いながらも、そういうわけではない。
 もう6年近く前になろうか。サントリーが「ハーフロック」といって、要するに1:1の水割りを言い換えて若者にも飲んでもらおうというキャンペーンを行っていた。自分自身は、それ以前からもウイスキーは飲んではいたものの、「うまいやつをロックっしょ」ということで、値段がかさむものというイメージがあったし、逆に角瓶をロックでガンガンいったときは二日酔いならまだしも店を汚したりもした。
 そしてその夏頃、サントリーから「北杜」という商品(岡田准一がかっこよさげに飲んでいたもの)が出て、ついでに「ハーフロックソーダ」といって、要するにちょい濃いめのハイボールをはやらせようとしていた。まんまとその手に乗ってハイボールを頼んでいたが、どうにもソーダが弱い店が多すぎて、上野の町をぶらぶらしていると、「白札屋」という店を発見。わかる人にはわかるが、白札とはサントリーの最初のウイスキー(今で言うホワイト/ただ、当初「サントリーウイスキー」という商品名で、そのラベルの色から「白札」との俗称がついたのを逆に商品名にしたという説も)で、見た目もボトルがディスプレイされていて、こりゃうまそうだ、というので入ったところ、先の「北杜」のキャンペーンで500円台で飲めたので頼んだら、うまかったので居着いてしまった。
whisky01.jpg 当blogでも、2004年~2005年あたりで、やたら通っていた店なので、ご存じかとも思う。もう週1で通って、ランチもたまにたべて、マスターと顔なじみになって、座っただけでファーストドリンクが出るようになったり、「白州好きなんだよね。あるといいなぁ」といったら本当に置いてくれたり、「別のテーブルの宴会で仕込んだのですが、数が多かったのでどうですか」とコースでは食べられるが通常メニューにはないものとかも出してもらったりしていたのだが、惜しい店をなくした。まぁ、思い出話はおいといて、そこで先ほどの「北杜」から始まって、白角、山崎、白州などをハイボールで飲み比べて遊んでいたのが、ハイボールで飲み出した始まり。
 焼酎も本格でなければ、甲乙混合や甲種をソーダで割って、レモン果汁をいくらか入れて飲むので、それならグラス単位あたりの安い(リッター単価で倍しても、グラスに入れる量は半分以下だろうから、たぶん安いでしょう)、ウイスキーを常備したほうがお財布にいいんじゃない? そして焼酎より二日酔いにならない感じだし。
whisky02.jpg というのが前説。ここから本題。ハイボールに合うといえば、トリスなのだが、いかんせんブラックしかビッグボトルが売ってない。たまに寂れた酒屋には流通在庫があるので、見かけたら入るようにはしているのだが、果たしてその店にもビッグボトルがおいてあったのだ。「あ、買おうか。でもこれから打ち合わせだし」ということで、よくよく見てみると、なんとなくサントリーのサイトで見た感じではないのだ。そう、ペットボトルではなくて瓶、しかも「ウイスキー2級」って。ウイスキーの級別が廃止されたのは1989年なので、20年もののデッドストック! 樽の中より、酒屋の店先のほうが長いのだ。バブル崩壊から失われた10年、はたまた今回の金融不況まで、時代を見続けていたボトルがいまここに!
whisky03.jpg 日曜日は引きこもっているので、翌日にトートバッグ担いで酒屋まで行って、その隣にあったニッカの何か(正直、これはなんだかわからんが、度数がともに37度と当時の2級クラスなので同時期かと)も買ってきた。さらにサントリー三四郎ペットとかもあったけど、それはいいっしょ。
 先に「寂れた酒屋」うんぬんといっていたが、ここも例外ではなく、というか6月末で閉店するらしく、そのため在庫整理をしていたところで、なんと7掛けで買えたのでデッドストックとはいえ一升ウイスキー2本買って4,000円しなかった。さすがに怖くて平日に口をつける余裕はなかったのだが、一応比較対象として、トリスポケットボトルを買ったので、今晩試してみるとする。