たとえば、ホテル代は出ていたからいいよね、という今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
例によって例の如く、夏休みの乗り旅。今回はホテルの都合で新潟から名古屋のほうへ下るルートとなった。
ことの始まりは、5月のこと。「サッポロ、新潟限定で新商品発売」という記事だった。要するに、前身に当たる開拓使麦酒醸造所の初代醸造責任者やサッポロビール創始者の出身地であるので、県内オリジナル品で盛り上げようぜ、ということらしい。調べると夏場にJRA新潟での開催もあるので、いっちょ行ってみるか、となる。
当初は、新潟から北上して十勝ばんえい競馬や門別競馬あたりも見てこようか、ついでにニッカの余市蒸留所も、いやいや帰りしなに宮城峡も寄れるぞ、と思ってルートをくんでいた。ただ、昨夏のあと、「高知競馬の近隣のボートもいいよね」というプランもあったので、一応どちらかになればなぁ、といくつか候補を出していた。
が、しかし、もろもろあって予算と休みの都合であまり遠出はできず、北海道プランは無しに、そして7月に入ってから「よし、やるならやるか」と高知プランで宿の予約をしようとしたらなんとまったく取れず。調べると、その時期、高知よさこい祭があるらしく、ただでさえ楽天トラベルに登録しているのは少ないのに、宿が取れない始末。こりゃしょうがないよね、というので新潟からショートで帰ってこられるプランに変更する。
行きは、新宿23:10発ムーンライトえちごというのは決まっていたので、帰りもついでに大垣22:49発ムーンライトながらにするか、と思っていたが、どちらも青春18きっぷ1日分使って移動日、しかも寝ている可能性大というつまらないプランということにも気づいて、とりあえず初日はぶらぶらして新宿に入ることに、最終日はいっそ名古屋あたりで一泊して帰ることにする。
8月11日。この日から出発ということで、普通に朝に起きて、荷物の最終チェック。いったん駅まで向かったところで、「アレがないかな?」と家に戻って、ピックアップ。再度鍵を閉めようとして、なんか腰回りが緩いなぁと思っていたらベルトをしてないことが発覚。さすがにずり落ちますよ、と。そこからは、千葉まで向かって駅そば食べて、一路銚子方面へ。向こうで日本海を見るのだから、こっちで太平洋でも見とくかという軽い気持ちでいったら、成田線経由でまぁ遠いこと。銚子について、大きな荷物はロッカーに入れて、銚子電鉄乗り場へ。『鉄道むすめ』路線でいうと、3路線目ですかね(東京モノレール、富士急行に乗車済み)。うん、無人駅だね。一応、折り返しの車掌と運転手が居て、そこできっぷ売っているけど、こりゃ確かにつぶれそうになるわ、と思った次第。単純な往復ではなく、1日乗車券を買って、ホームに止まっていた、最初は静態保存している車両かと思ったら、それに乗るのね。さすが。
そこからは、終点外川まで乗って、いい言葉で言うと風情のある駅舎を撮ってから坂を下って海岸線へ。漁港らしく、堤防に腰掛けて写真をパシャパシャ。ただ入り口に「漁港施設につき、関係者以外の…」というのが見えたので、あまり長居はせず。勝手な想像では、こちらの監視のつもりか出たあたりに2人組が車を停めてその中からこちらをうかがっている様子。声をかけられなかったからいいものの、初日から危ない橋になるところだった。
たいして観光地化されておらず、あまり人様の生活空間をうろうろするのもはばかられるので、すぐに戻ることに。となりの犬吠駅が、「銚子電鉄で、ぬれせんべい」というニュースなり記事なりを見たときに出てくる駅で、こっちのほうが栄えている。とはいえ、思ったよりも相当狭いし、日がな一日せんべいを焼いているわけでは無いので、最近の高速道路のSAとかを想像していると肩すかしと思う。なので、すぐに来た列車に乗り込む。
銚子につくと、「先ほどの大雨の影響で、総武線は運転を見合わせております」とのこと。急いで乗り換える人の中、ロッカーに入れたもんだから、いったん改札を出なければならず、出たら出たで腹が減っているので食事でもしてから乗ろうかと考える。がしかし、高い店かマクドしかないので、コンビニでおにぎりをチョイス。待合室で食べて、とりあえずの成田線経由で戻ることに。それすらも発車が20数分遅れてなんとか。ここからは、千葉~新宿と乗り継いで、本日の夕食。何年ぶりかでイレブンイマサのカレーを食す。これでも時間があるので、西新宿を2周くらいして面白そうなワンタンの店に入り、ワンタンとビールで乾杯。
それでもなお時間があるが、もうしょうがないのでホームで待つことに。ぬるいとはいえエアコンの効いた待合室があったので、そこで小1時間待つ。列車が入ってきて席に座って改札を待つが、最近は車内改札しないみたいで、しょうがないからウイスキーと犬吠で買ったあげせんで乾杯。日付変わるくらいで就寝。
12日。朝5時前には新潟駅につくので、4時台には目が覚める。というか熟睡できないって。どうしてか考えたら、下りのMLながらは東京22:49発~大垣05:05着、上りでも東京06:43着と乗車時間は7時間前後あるのに対して、MLえちごは5時間前後。その乗車時間でも頭とおしりの1時間程度は、車内アナウンスや乗ってくる人の音などで眠れる感じでは無く、そりゃ睡眠時間も短くなりますよ、と。
まぁここから村上とか柏崎方面とかの列車に乗って1時間くらい寝てればいいじゃん、と思っていたものの、それもなぁ、ということで、新潟で改札を出てロッカーに荷物を入れて、カメラと水筒を持って日本海を目指す。Googleさんによれば、5km前後。なに、待ち時間は5時間もあるのだから行けないことも無い。途中、吉野家で朝食を食べて、最後の坂を登ると、ついに日本海の海岸に到着。1時間半くらい歩いたわ。
海岸線沿いにサイクリングロードなども整備されているので、そこをぶらぶらと30分くらい歩いてから、市内へ戻る。途中、万代シテイバスセンターの立ち食いそば屋のカレーがB級グルメ扱いらしく、そこが8時かららしいので、このペースだとちょうどいいかなと思ったらぴったし。つい3時間ほど前に朝定食を食べたとは思えないペースで完食。そこから新潟駅前ロータリーへ移動して、新潟競馬場行きのバスに乗り込む。
朝イチから競馬に張り込むが今日は当たらないデーらしい。昼頃の新馬戦は見送ることにして、はたまた食事。タレカツ丼とたこ焼きを食べてちょいと昼寝。午後からもかすりもしないで、マイナス9,000円ほどでレースは終了(写真は新潟名物の1,000mの直線コース。これでも半分くらいのところに陣取っている)。すぐにバスに乗り込んで駅に向かい、荷物をピックアップして、新潟の目的の一つでもある、例のサッポロ・風味爽快ニシテと、エチゴビールあたりを4本握って、列車に乗り込み、本日のお宿へ。
最寄りの駅からはちょい暗い道を歩きながら、なんとか到着。早速大浴場に入って、気分を改めて、部屋で缶ビールを1本飲んで就寝。
13日。今日も快晴。コンビニで朝飯を買って直江津行きに乗車。そこから先は北陸本線で下っていく。ここでおにぎりと昨日の缶ビールの朝食。途中、笑っちゃうくらいの大雨でこりゃ予定していた七尾線は無理っぽいとあきらめて、そのまま金沢へ。ついたら快晴。大きな荷物をロッカーに放り込んで、近江町市場へ。ここは10年前に来たときは、朝8時前とかについたのと、香林坊へ抜けるため、あまり見た記憶は無かった。そこで今回は、ついてすぐに寿司屋で漬けマグロ丼とビール、そして場内をうろうろして喫茶店で珈琲とケーキ、さらにうろついてお土産物を買い、午後のおやつ代わりにうどんを食べてあとにするまで、3時間近く居た。いったん駅に戻って、併設の土産物エリアで会社のスタッフへの土産物を発送して、荷物をピックアップしてホテルへ。15時台にチェックインなんて、乗り旅では初めてかも。即、シャワーを浴びて、ランドリーを確認して、空いていたのであらゆる衣類を放り込んで洗濯。小1時間して乾燥機に移して、さらに小1時間で終了。これでやっと夕暮れ時。うん、夜は楽しみ。
夜は夜でそこそこのお店がそろっているので、のぞいてみると、まぁ満席だこと。そりゃお盆休みまっただ中の小京都、そりゃ混むよなぁ。しょうがないので、せめてものの海鮮系をうたう居酒屋に落ち着いてビール。せっかくだからのお造り。所詮は居酒屋だったのでそこそこに店を出る。再度うろうろしたら、路地の先にもあかりがあるので、誘蛾灯に引き寄せられる虫のようにふらふらと。「暗いなぁ」と思っていたらそれは看板で、さらに先にお店があるらしい。近づくとこぎれいな小料理屋(屋号としては大衆割烹の喜乃屋さん)で、入ってみたら、カウンターに空きがあったので勧められた。とりあえず飲み比べセットなるものがあったので、そちらをいただくと、結構な量のお通しが。これでいいじゃんと飲んでいると、隣の男性が「お一人ですか? どちらから?」と声をかけてくる。話をしてみると東京の方で、あーでもないこーでもないと話が進む。追加の湯豆腐をいただいて酒を頼もうとすると、「それはこちらにつけてください」と粋なお誘い。で、こちらも1本つけて、連絡先を交換して店をあとにする(Androidで赤外線交換って初めてかも)。先日の銀座ライオンに続いて人の縁に感じ入りながら、いい心持ちで就寝。
14日。珍しく連泊なので、この日は軽い荷物だけ持って、駅近辺で朝食。そして金沢競馬場へ。こちらは、昨日の雨でコースは水が浮いているような不良馬場。それでも日差しはあるので、暑いったらありゃしない。持っているカメラも暑くなる(黒いしね)。ちょぼちょぼ当たって最終レースで三連単4,680円ゲットして、トントンというところで帰りのバスに乗る(写真はゲートに寄ってみたところ。内ラチ沿いは、水が浮いていた不良馬場)。ちょっと道が混んでいたものの、列車に乗るわけでは無いのである意味安心。宿に戻ってから今日の分の洗濯をして、再び夜の金沢へ。今回は昨日行けなかったところに行ってみたら、なんとか入れたのでそこにする(先のエントリーにある店)。お造りもうまいし、岩ガキも最高、棒寿司もボリューミーだったが、いかんせん来るのが遅い。そりゃ6人くらいのグループとかカウンターのカップルを優先したいのもわかるし、一人客が飲み食いする量なんてたかが知れているから後回しになるのもしょうがないけれども、最初に頼んだ棒寿司が来たのは結局1時間くらい経ってから。途中で「こりゃ、ビールだと干上がるな」と思って燗酒にしたくらい。本当に味は良かったんだけどなぁ…。これでカウンターで一人だったら、もう少し長居したんだろうけどね。お互いにちょっと損ってところで。二軒目に昨日のお店に行こうとしたところ、雨が降ってきたので、こりゃだめかとあきらめて宿に戻る。なんだかこれまでの疲れも出てきたのか、さっさと就寝。
15日。お土産や家に送る物などを近くの郵便局から送りつける。クラフトテープと新聞をコンビニで買って、金沢まで来ての梱包作業って。ここから、芦原温泉駅で降りて、ロッカーに荷物入れてボートレース三国への無料バスを待つ。なかなか来ない。列車の時間もあったが結局30分近く待つ。ボートは、パドック見ないで済むので(というか、競馬以外は本番と同じコースでの下見になるので、いちいち移動しないで済む)、最初と最後のほうこそ、水面近くで見ていたが、途中はスタンドの中で見ることに。適当にお茶を飲んで、適当に食べて、適当に予想していても、そこそこにはなるのでボートは楽。というか、3Rでいきなり6,000円の三連単がきたので、もう適当にもほどがあるくらいで過ごす。9Rでも680円の三連複に300円賭けていたので、一息ついて、こちらもトントンで終わることに。写真が無いのは、カメラすら持って行っていないという、旅の目的をちょい外れそうな状態。まぁ原則レース場は撮影禁止で、競馬だけは「馬を撮っている」から黙認している状態で、ほかのレースでも事前に話をすれば撮影腕章を貸してくれるレース場もあるが少数派、スマホくらいなら平気だろうが、それでもスタンドとか撮ろうとすると、いきっているおじさんたちが怒鳴ってくるかもという状況なのでそれもしょうがない。
ここからは列車移動がシビアなので、往路の無料バスに乗り、時刻表を確認して、駅に着いたら小走りに。そして一路名古屋を目指す。芦原温泉からは、敦賀、米原、大垣と乗り継いで名古屋に到着。TOICAを買って本日のお宿へチェックイン。実はここも10年ほど前の旅で泊まったことがあるので、その時の記憶を頼りにうろうろしたけれども、そのときに寄った店は発見できず。結局、ホテルのはす向かいの居酒屋に。ところが、まぁ客が居ない。お盆休みも大体今日までくらいなせいもあるし、水曜日だしね。あとから2人(どうも夫婦では無く同僚っぽい)がきたので、なんとか貸し切りにはならずに済んだ。昨日のは予想より1,000円高いとすると、今日のは1,000円低かったので良しとする。コンビニでお茶を買って宿に戻って就寝。
いよいよ旅も最終日。今日は、名古屋から一宮、名鉄に乗り換えて笠松で降りての笠松競馬。と、その前に、先日のカンブリア宮殿でやっていたコメダ珈琲にて朝食。タマゴバンズサンドと珈琲でも、「モーニングのセットはおつけしますか」と聞いてくるので、「もちろん!」とアメリカ映画ならサムアップ状態で答える。思ったよりもバンズは軽かったので、あれならもう1個行けたかな。新聞と雑誌を読み継いで1時間ほど過ごしてからjの列車移動。といっても30分くらいでついちゃうけどね。
笠松競馬といえば、90年代初めのオグリキャップブームの時に、その出身地だったため、ある程度沸いたと思うが、いかんせんあれから20年。1995年にも、地方在籍のまま中央GIとそのトライアルに出走できることになったときに、デビューから無傷の10連勝という戦績をひっさげてライデンリーダーが桜花賞トライアルから牝馬三冠などに出走して話題となったが、その馬と騎乗していた安藤勝巳も笠松所属(ちなみに、安藤騎手は笠松時代のオグリキャップでも主戦騎手として騎乗、2001年からJRAの騎手試験に挑戦し、その後合格してJRAに移籍)ということで覚えているのだが、数少ない競馬場歴訪数でいっても、寂れっぷりは下の方という印象。
またパドックがコース内にあって、近くで見えないのもあって、やばいなーと思っていたら、いきなり1Rで三連複的中(ぎりぎりトリガミを回避したが)、3Rでも2,370円的中と、こりゃいけんじゃない?と舐めていたら、舐められた様子。そこからは射幸心にあおりまくってかすりもせず。傷心のまま、競馬場をあとにした。
ここからは帰るだけなので、尾張一宮に戻ってからは、豊橋、浜松、熱海、東京と乗り継いでなんとか帰って来た次第。しかしこのラインともなると、夏休みでちょっと出かけた学生連中がいるので、まぁマナーのなってないこと。彼らの言い分としては、「そりゃ荷物を席に乗せてますけど、言ってくれればどけますよ」となるのだろうが…。まぁ反射的にtwitterとかで垂れ流すことをやっていれば、パブリックとパーソナルの区別もつかなくなるんだろう。それ以外にも気になったのは、いま乗っている列車がどこにどれくらいでつくとか、その次に乗るのがいつ出るとかくらいは調べとこうぜ、ってあたりか。
ケータイでも時刻表が見られるような時代になったが、そもそも携帯いじるのが嫌いなのと、もちろんモバイルバッテリーも持って行くが電池切れたときに何も出来なくなるのはよくない(1時間以上乗るときは電源を切ることもある)ので、せいぜい550円ならと時刻表は買うわけで。正直、ブックマークやアプリから駅名を入れるより、ページめくる方が早いのもあるし。
自分の考えや行動が古いとか心配しすぎなところは自覚しているが、だいたいのことを想定して荷物を用意して持って行って、使わなかったら送り返していくため、初日が一番重くて「ああ、こんなの背負って何日も…」と気分も沈みがちに。3日目あたりで送り返して軽くなって、気分も楽になり夜にはしごしたりして。さらに空いたスペースにお土産を詰めて戻るのがいつもの感じなのでねぇ。
まぁそんな世代間概念論は置いておいて、遠くの競走場に行って賭けての旅もライフワーク化しており、しかもはじめた頃に比べて、競馬場の数は減っているものの、ボートを追加しちゃったものだから、あと何年かかるのやら(現時点で、中央10場中5場、地方18場7場、ボート24場中5場)。昔は移動優先だったから、4レースくらいやって出ちゃったりもしたしね。
今回は、食費・雑費で62,196円、きっぷが13,210円、宿代17,300円、レースは35,400円賭けて20,510円の払い戻しで、やっぱりこれくらいにはなるなぁ。まぁこのために働いているようなものだしね。