2011年夏、旅の記憶

 たとえば、当初の予定よりリスクはなく、むしろ涼しかった今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
 11日のエントリーに書いたように、そして乗り換えの度にポストしていた通り、久しぶりに長旅に行ってきた。最初のうちは「一週間近く、真夏に家を空けて大丈夫だろうか(空き巣とか、灼熱地獄が冷めないのでコバエやゴキさんが繁殖してないだろうか、はたまた洗濯カゴのシャツはキノコが生えていないだろうかなど)」と思っていたが、そんな心配も無く、また行った先でも14日は雨で、それ以降もたまに降ったので、むしろこっち…というか、平日の昼過ぎに時間つぶしでうろうろしていた新大阪駅のほうが暑かったくらいで。
 今回の長旅のテーマは、(1)とにかく列車に乗る、(2)大村競艇にいく、(3)近いところの公営にいく、(4)近いのでJR最西端駅の佐世保に行く、(5)山陰本線を走破する、(6)ぷらっとこだまを使ってみるといったあたり。1番は、むしろ長旅の基本なのでいいとして、大村競艇は少し個人的な予定だった。そのため、あまり人に言わなかったところもあるのだが…。


 さて概略はいいとして、11日は、とにかく「ムーンライトながら」に乗るだけなので、昼間仕事して、早くにあがって、荷物の最終チェックをして、22時頃に自宅を出る。23:10に東京発なのだが、15分くらい前に入線したのですぐに乗る。持ってきたの1本と先ほど買ったの2本の500mlペットボトルがあったのだが、座って飲み始めたら1本あけてしまった。やばいってんで、ホームに出てお茶を2本追加する。牛馬かと。
 12日。それからはなにもなく大垣到着。いつものように、網干行きの接続が短いので走る人続出。ある意味、風物詩。こっちは、いったん出てコンビニで食料調達して、米原行きに。「米原でうどんを喰う」のもちょっとした目的でもあるので、わざと乗り換えるような列車に乗ったのだが…。さすがに朝7時台では店はやってないらしい。
 しょうがないので、姫路、網干(これは来た列車に乗ってしまったので、1本遅らせれば降りなくて済んだ)、相生、糸崎と乗り換える頃には結構人が乗ってきて立っている状態。広島まで行く人はこのまま乗るんだろうが、途中の白市で降りて、とりあえず改札出て、新たにお茶を2本調達。ここから下関まで5時間近いロングドライブ。
 iPodのゲンダイを消費して、下関到着。ここから15分くらいで小倉に着いちゃうので、写真撮ってホームで待つ感じ。米原からこちら、買っていったロールパンとコンビニのおにぎりだけだったので、小倉について、まずうどんを食す。関西風の柔らかいうどんとダシもいいが、九州のアゴダシも捨てがたい。あと、コンコースの店よりホームの店のほうが美味しく感じるのはなんでだろう?
 実は小倉で降りるのは初めてなので、ちょっとどうかなと思ったが、予想よりも栄えていた(といったら失礼だろうけど)。ただ予約したホテルが、駅から行くと、1階にファストフードで上が居酒屋なんてビルの脇を通っていくのだが、途中にピンク映画はまだしも、薔薇族映画専門館も併設されているディープシアター、さらに進むとキャバクラビルとその先には連れ込みホテルばかりのエリアにあって、ちょっといきづらいことこの上ない。
 とはいえ、久しぶりの長旅でテンション上がっているので、小倉の繁華街をうろうろ。「やっぱ魚よねぇ」なんて思っていると、「『麦とホップ』なんと1リットルの男前ジョッキ登場!」というポスターにつられて入店。最初はビールだが、ほぼ一気飲みでなくなる始末。お作りとイワガキがよかったが、ほんとにこっちの醤油は甘いのね。ホテルに戻ってコインランドリーにシャツを放りこんで発泡酒で時間をつぶして就寝。
20110813_img_0432.jpg 13日。チェックアウトしてから、駅でSUGOCAを買ってから、モノレールで小倉競馬へ。JRAでは3場目ですな。コース自体もこじんまりしているのはもちろんだが、外ラチとスタンドとの距離が近い! とりあえず写真撮って場内ぶらぶらするのだが、どうにもおなかの調子が悪い。旅にいく前から幾分ゆるいこともあって、飲み過ぎだろうくらいに思っていたのだが、今日はヒドイ。朝からホテルでも何回かトイレいって、こっち来てもお世話になる始末。昨日の刺身か酒だろう、ということでここでは昼食にカレーを食べただけで、あまり飲み食いはできなかった。それに、専門紙がどうにも当たって無くて、やる気もそがれていったし。あまりにヒドイので途中でゲンダイを見る始末(ゲンダイもそれほど当たらないけどね)。結果7,400円買って2,580円の払い戻し。
 昨晩のテンションもどこへやら、早めに見切りをつけて移動を開始することに。小倉からは、鳥栖、諫早、大村だけなので、それほど急ぐことはない。鳥栖~諫早が3時間弱で、途中から有明海を見つつなので、楽しかった。諫早では、駅前に西友があったので食料調達。なんとか大村のホテルにチェックインし、もう出かける気力もなく、食事して即寝。
 14日。夜の間に降ったようで、「傘無いんだよなー」と思いながら朝食を食べていると、ザーッという音にびっくり。マジ降ってきたじゃん、と。移動は何とかなるけれど、大村競艇は果たしてやるのかどうかが心配だが、ここまで来たら「開催中止」の看板だけでも撮りに行く覚悟で出発。後々考えたら、オートや競輪は路面がすべるので危ないから中止にするし、競馬も芝が滑るからダートに変更したり、障害レースを中止することはあるが、競艇はそもそも濡れるのが当たり前だから、雨くらいならやるわけで。ただ波が高くなると転覆して危ないので、どちらかというと強風のほうがダメかもね。
 チェックアウト時にフロントに、「すみません、傘あります?」と聞いたら、「大きいのをご用意しました」と。「お代は?」と聞くと「いえいえ、結構です」と。朝食もうまいし、対応もいいので、ここはいいホテルだ、と確信。
20110814_img_0544.jpg さて、大村競艇。ボートレース発祥の地として有名だが、それ以前になぜ行ったかというと、「祖父が通っていたらしいところ」だからなのである。亡くなる何年か前、ボケも出てショートステイとかさせたときに、母が何回か行ったのだが、戻ってきて何とはなしに、「おばあちゃんも、姉さんも知らなかったんだけれど、おじいちゃんも競艇に通っていたんだから、あんたも気をつけなさいよ」と言われたことがあった。そのときは、気にとめなかったけれど、今年の春に江戸川競艇にいったとき、当然だがじいさん率が高くて、その言葉を思い出した。かっこよく言えば「祖父の見た風景を見たくなった」ということなのだろう。
 そんなこんなで、大雨の中、40分くらいかかって大村競艇に到着。取り急ぎロッカーに荷物を入れて、カメラを持ってぶらぶら。2レースほど写真を撮ったが、予想のしようも無いのでニッカンを持って食堂行ってちゃんぽんを注文。本場ですよ、本場。なんとなく傾向と対策がわかって、今日の成績と出走表を首っ引きで見ているうちになんとなく法則がわかってきた。それに則って買ったら、なんだかどんどん当たるじゃないですか。最終までいて、都合11Rで、6,100円張って10,370円の払い戻し。「おじいちゃんが勝たせてくれた」なんてことを言うほど子どもじゃないし、完全なビギナーズラックだけれど、コース形態がほぼ同じで、6艇しかないわけだから、統計の数字が結構意味あるのね。これからもやっていこうと思った瞬間。
 終わってから、また駅まで歩いて行って、佐世保で下車。「JR最西端の駅」の碑を激写。ほんとは、ここからさらにいった松浦鉄道の駅が鉄道では最西端だけれど(ゆいレールも考慮に入れるとそっちが最西端と最南端)、いかんせん本数少ないので今回はパス。さて、佐世保から早岐、鳥栖と乗り継いで本日のお宿へチェックイン。どうにも、Jリーグの試合があったらしく、しかもサガン鳥栖が勝ったようでユニフォーム姿の連中が騒いでいる感じ。しょうがなく、焼き鳥屋に入ったら、まぁそういう感じのグループでいっぱい。空いたところに通されて、ビールを飲んでから焼き鳥を幾種類か注文。しかし、肉はいいんだが、焼きが足らない感じ。あと冷めると美味しくないし、なによりネギマが240円ってというので、早々に出る。ホテルに戻りしなに、雰囲気よさげな焼き鳥屋があったので、そちらにもお邪魔するが、こっちは正解。100円台前半であるし、お通しもキャベツのざく切りってわかってるねぇ。2件はしごして、ホテルに戻って、ランドリーに放りこんで、ピックアップして就寝。
 15日。ホテルの朝食がアレげ(スタッフ1人なのでパンが空っぽだったり、スプーンがなかったり)なので、ちょっと昨日と比べるとなぁ(ただシングルのレイアウトがまるっきりいっしょだったのは少し笑った)。本日は、佐賀競馬なので、駅前からの競馬場前を通るバスに乗る予定。で、バス停で待つがなかなかこない。そして「8月13日~16日は休日ダイヤとなります」の張り紙を見て、休日ダイヤなら1時間来ないじゃん、と。方針変更で、鳥栖から1駅いったところから歩くことにする。途中、Googleさんの地図によると県道よりも、こっちのほうが近いみたいと見えなくもないので、そちらにいくと、どんどん山のほうに入っていってしまいには、「○○産業倉庫」とか、土の山とか、プレハブと簡易トイレがものすごくあるところの脇を通っていく。「これで行き止まりならリカバリーないなぁ」「『なんやわれ、どこの○○のもんじゃ』とかいわれたらやだなぁ」と思いながら歩いて行くと、先ほどの県道にぶつかる。そこからさらに歩いて行くと、佐賀競馬場の裏手のほうに出た。ここですでに小1時間。バスを待てば良かった。
20110815_img_0626.jpg とりあえず入って、ロッカーに荷物入れて、トイレにいって顔を洗ってレースを見るが、まぁこじんまりしたことこの上ない。一昨日の小倉もコースが近いといったが、ここの比じゃない。どれくらい比じゃないかというと写真のように、スターティングゲートですら10mくらいしか離れてないし。落ち着いてから、専門紙を買って、パドックを見て、張って、を繰り返す。ここでも、専門紙が当たらなすぎで、自分の予想のほうが当たっている気も。当たってはいるが、8頭とか9頭で1番人気は、複勝100円になるくらいの買われ方なので、三連複のフォーメーションだと7点で払い戻し1,000円みたいなのが多くて、5,900円買って3,800円の払い戻し。でも投票や払い戻しの機械が、競馬やり始めた頃にJRAにあったやつだし、液晶部分に「JRA」と焼き付いていたりしてて、ちょっと懐かしかった。
 さすがにもう一度、小1時間歩くのもつらいので、西鉄バスのサイトから鳥栖駅行きを検索。ここでもAndroid様々。10Rを買っていると間に合わないので、早々に切り上げる。バスだと15分もかからないし。
 ここからは戻るだけなので、鳥栖、小倉、下関と乗り継いで本日のお宿へ(小倉ではコンコースの店でうどんを食べたが、やっぱりホームのほうが美味しく感じる)。チェックインして荷物を下ろして、シャワー浴びて、とりあえず飯。駅まで行くのも面倒なので、まっすぐいったところにもお店があるらしいのでいってみると、居酒屋があったのでそこに入る。とりあえず刺身盛り合わせとビールで乾杯。ちゃんとした仕事でここもいい店認定。ナニがすごいって、鍋が常備らしく、カウンターには小型コンロが置いてあるし、普通に熱燗も頼めるのがいいし、なによりフグ料理が出るところ。もちろん、ここでさばいては居ないだろうが、それにしてもやすい。刺身でも1,000円とかだったし、追加で頼んだ揚げ出しミックスには、ナス、豆腐、フグが2切れずつ揚げ浸しになっているのだが、それで400円。そりゃお銚子の数も増えますよ、と。
 いい心持ちで店を出て、スーパーで買い物。鮮魚コーナーみたら、普通に鯨肉やベーコン、フク皮湯引き、それに冷凍コーナーにはエビフライの脇に「フク(フライ用)」なんてのが売ってるし。もちろんかつてからの食文化だし、実はオーケーでも鯨肉はたまに見かけるけれども、それにしてもレギュラーであるのはうらやましい。もちろん、皮湯引きと発泡酒を買いましたよ、と。
 16日。今日から長距離移動開始。始発からなので、チェックアウトは5時予定。だけれども、おなかの調子で3時半くらいに目が覚める。トイレに行って「今から寝るのもなー」ということで、大浴場へ。昨晩も入ったが、口の周りがしょっぱくて「あれ、ソリ負けひどくね。いやさ、鼻血?」と思って早々と出てしまったので、今回は露天にも挑戦。そこで効能書きを見たら、ここはナトリウム泉なんだって。そりゃしょっぱいよ、と。40分くらい独占して、5時過ぎにチェックアウト。今日は、しくじれないので、下痢止めも飲んでおく(下痢と発熱は身体の反応だから、いつもは薬は飲まない)。下関から東萩まで3時間弱のはずが、雨の影響で長門市で乗り換え、そこから東萩へ。東萩では1時間ちょっと待つことに。駅前の観光地図を見ると歩いて20分くらいでいけそうだったので、松陰神社を見学。といっても、松下村塾とか写真撮るだけですけど。
 そして益田でも2時間弱待つので、とりあえず昼食。それでもヒマはヒマなので、駅前のドラッグセンターで暇つぶし。米子まで4時間、鳥取まで2時間半のロングドライブのあと、浜坂、豊岡と乗り継いで、いよいよ今日最後の乗り換えと思ったら、列車が遅れているアナウンスが。朝もいっていたが、昨日の大雨の影響で乱れているらしい。結局、20分くらい待ってやっと到着。小1時間乗って、福知山到着。チェックインは、日付変わる前だし。全行程が気動車だったので耳がおかしい感じ。
20110817_img_0738.jpg 17日。いよいよ最終日。かなり昭和チックなホテルをチェックアウトして、福知山から園部、京都と乗り継ぐ。もう18きっぷではないので、福知山から買ったきっぷでいったん改札を出て、Suicaで乗り直して山崎へ。本日のメイン、サントリー山崎蒸留所へ。これは歩いて行けるので楽っちゃ楽。以前来たときは見学コースが受け付け終了していて、試飲やショップの時間も閉まる前だったので慌ただしい印象しかなかったが、今回は見学できるし、なおかつ平日なので稼働中。スチルポットなんか蒸留させてるわけだから、暑いったらありゃしない。そんなこともあって、試飲で出てきたハイボールを水かなんかのように飲み干してしまった。最初に山崎10年ハイボール、次いで白州10年ハイボールと山崎12年の水割り、これらもくいっと飲み干して、「じゃあ、山崎10年と12年のトワイスアップで」と生意気なオーダー。というか、周りのテーブルでおかわりしているの全然居ないし。
 時間も来たので、ショップを案内されて、ほかの人は、「へー」とか「これよくない」とかいっているのを横目で見ながら有料試飲エリアへ一直線。ショップで気になっていたのを2杯頼んで飲み比べて買うのを決めて、山崎の構成原酒3種をちびちびやってお開き(じゃないか)。ショップでお土産と、先ほど決めたモルトを買い付けて、山崎は終了。ここからは、新大阪にいくだけ。
 新大阪では、2時間ちょい待つので、在来線コンコースでうろうろ、改札出て地下も含めてうろうろ、1時間経ったので新幹線コンコースでうろうろ。ここで失敗だったのが、山崎のコンビニでお弁当買って食べたのもあって、あまりおなか減ってない状態だったから、在来線のほうでうどんを食べなかったこと。新幹線のほうには、中華とスタバが1軒ずつあるだけで、当然のように混んでいたので、ちょっとねぇ。結局関西圏ではうどんを食べられず。しかも、超蒸し暑い。佐賀競馬いくときにだいぶ汗は出てたと思うけれど、それよりも室内のほうが汗かくってどういうこと?
 ここでもお土産買って、車内で食べる駅弁と、例によってお茶を3本ばかり用意してホームで待機。1本を軽く飲み干すくらいなので、やっぱ暑いんだわ。今回のプチテーマでもある、ぷらっとこだま。せっかくなのでグリーンにしてみたが、あんなにフットレストが楽なものとは。名古屋に着くまで、スカッと寝てしまいましたよ。
 新幹線なので、時間通りに出て時間通りにつくので、16:50に出発。こだまなので、約4時間、20:47に東京に到着。時間帯が違うこともあるけど、東京のほうが涼しいわ。
 ということで、思いつくまま書いてみた。今回はAndroid様々で、正直ノートPCは1回しか起動しなかったので、途中で家に送ったくらい。ほんとiPadとはいわないが、小型のタブレットがあればもっといいかも、と思った旅でした。電源取れなくても、充電可能な商品もあるので、次回あるときまでには用意してみたいところ。あと小倉は、もう少し滞在しても面白いエリアかも、とは思った。また来年までの宿題、ということで。