たとえば、「出会いと別れの季節」よりも「水温む」を実感する今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
まったくもって個人の住居環境に依存する話で共感は得にくいとは思うが、自宅には暖房設備はない。正確には稼働させてないというか、クーラーはあるが電源コードは抜きっぱなし、あるのは足下を暖めるハロゲンヒーターと60センチ四方の電熱座布団のようなものくらいで部屋を暖めるには能力不足。というかできない。江戸時代だってもっとちゃんとしてただろう、という気もしながら、結局家に帰って、飯食って寝るだけである。一番困るのは、朝の洗髪くらいなもので。
そう、朝なのである。昭和の世代なので「朝に風呂」というと贅沢というか、お正月とか旅先のホテルでとかいうレベルのイメージがあって、それを覆したのがバブルに沸くちょい前あたりの「朝シャン」ブーム。「朝、入っていいんだ」みたいな、心の中で革新的ではあった。当時、中学生なので、実際には頻繁に入りはしないが。それでも、社会人成り立ての頃は、身だしなみもあって、朝シャワー浴びるのが習慣となっていた。
はてさて、第一期一人暮らしでは、みごとに風呂無し、トイレ共同、ついでに湯沸かし器も無しという安アパート。昭和の下宿ですよ、ほんと。なので、やかんで沸かして身体を拭くくらいしかできなくて(近くの銭湯は15時~23時なので、みごとに行ける時間ではなく)、もうどうしようもないときに自転車こいでコインシャワーいったくらい。だから、風呂に入るのが週末、というよりも上のコインランドリーで洗っている間に入る、という習慣になってしまった。
そして、第二期一人暮らしも、1週間に数回しか風呂に入らず、毎朝+帰ってきてシャワーで過ごすことに。なので、厳冬期はまぁ、つらい。それが、徐々に楽になっていくと、「ああ、春だなぁ」と。
んで、飲む酒も徐々に変わってくる。さすがに、冬場に冷蔵庫で冷やしたビールだの、氷いれてハイボールだのホッピーだのは、暖房のない部屋ではつらいだけなので、だいたい清酒かワインを冷や(燗に対して常温の意味。最近は「冷やで」というと冷酒を差すので、お店で頼むのもなかなか面倒)でいただくくらいだから、やっといろいろ楽しめる季節になってきてうれしい限り。