新たなる発見

 たとえば、行くたびに新しい発見があるのもすごいと思う今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
 まいどおなじみサントリー白州蒸溜所。ここ5年ほど毎年10月に行っているのは当ブログでもお伝えしているが、先日もモルトセミナーに行ってきた(2007年には4月にも来ているので、都合8回目)。


 セミナー自体は14時からだが、いかんせん新宿~小淵沢の列車の都合で13時くらいには駅に着いてしまうものしかなく、とりあえず11時発のあずさに乗る。出がけに時間とったせいで朝食は食べられなかったので、途中で買ったおにぎりと、新宿駅で買った助六寿司とビール2本をたらふく飲み食いして定時に到着。途中からぽつぽつ降っていたものの、移動はサントリーが用意してくれたタクシーなので、まぁいいか、と。
 受付を済ませても30分くらい時間があるので、先に買い物を。とはいえ、2ヶ月前にも来たので、特に買いたいものもなく、スルーしてセミナーの集合場所へゴー。見学自体は、いつものように、麦汁作りから蒸溜、貯蔵、樽の火入れを見てから、お待ちかねのセミナーへ。
09120601.jpg 今回は「オードブルと愉しむ白州2009″秋”」とのことで、構内レストランのシェフが腕によりをかけた6品が出てくるセミナー。その前には、白州10年、12年、18年、山崎12年のテイスティングもあって、さらにオードブル用に白州12年と18年をハイボールスタイルでお楽しみください、という形なので、普通にレストランで出たならば8,000円くらいよねー、なんて思いながら味わったのでした。写真は、出されたオードブルの品々。上から時計回りで、地場秋野菜のマリネ、干し柿のカクテル、紅マス燻製の手毬寿司、合鴨とチーズの自家製燻製、大岩魚の燻製、鮑の煮貝。特筆すべきは、岩魚燻製の柔らかさと干し柿のカクテルの自然の甘さ。最初は「干し柿のペーストに生クリームでしょ?」と味は想像していたのだが、隠し味に白州が入っていて生クリームも甘くなく、なおかつ白州にあう味に仕上がっていたのは、すごいの一言。
 楽しい時間はあっというまで、食べ終わってからは有料試飲ゾーンへ。とはいえ、いつもの「うさぎ」から移築したバースペースは11月までなので(そーいや4月に来たときもやってなかったっけ)、いつもの試飲ゾーンの片隅でオーダーシートに書き込んでいく。今回は、日本でも発売した響12年をストレートとハイボールでチャレンジ。どちらも「甘いもの」にあいやすく、またハイボールはチョコレートと相性がいい感じを受けたが、「甘い料理って難しいよね」と2人して、つぶやく(鯖味噌煮、鮎の甘露煮、豚角煮あたり?)。
 ラストオーダーは16時なので、時間まで居て、酔っているからか、ついお土産ゾーンでウイスキーとチョコボンボンを購入。入り口のあたりで、パッキングし直してタクシー呼んで待っている間にも、どんどん駐車場から車が出て行って、ついには何もなくなるまで居てしまった。
 そこから、前回もいった道の駅はくしゅうまで移動したものの、なんだかパン屋さんは終い始めていて、レストランもラストオーダーの文字、お土産ゾーンも18時までとかなので、安売りのパンをかじり、土産物をぐるっと見てから、道沿いにパン屋が何件かあるので、そこをのぞきつつ駅に向かうことにする。
09120603.jpg ところが、街頭も少なく、真っ暗で、「さっきのパン屋も閉めてたから、もしや…」という予感的中、軒並み店は閉まっていた。さすがにこのままじゃ…ということで、前回も行った「ベーカークラスティー」もダメ元で前を通ろう、となり、高速沿いの小道をとぼとぼと歩いていると、向こうに明るいお店が…。そう、クラスティーはやっていたのだ。もう、砂漠でオアシスを見つけたかのごとく、小躍りして店に入り、安くなっていたのもあいまって、2人してバスケットを空にする勢いで買い始める。外に出て、家々のクリスマスイルミネーションが幻想的だったので、デジカメで撮っていると、中から奥さんが「これから歩いて行くの? うちのが送っていくわよ」と暖かい言葉が。ご主人も「仕事は終わっちゃったから、いいですよ」とのことで、お言葉に甘えることに。車中では、東京の駒込病院前でやっていたこと、そこを息子さんにまかせて故郷である山梨に出店したことなどを聞きながら、人の温かさに感動。テレビの田舎で泊まる番組とか見て、「んな、泣くかよ」と思っていたが、ことこーゆー雨の日には、行為自体もさながら、そう思ってくれることに「本当にありがたい」と思った。
 駅に着いて、19時ちょいの列車なので、小1時間あったので、駅そばのなぜか安いメニューがあったのでそれを食べたあと、昼に食べた炭水化物がきいてきて、眠くなり始める。とにかく、列車に乗って休むか、という勢いだったが、ちょい古い形式の一番端の席で足が伸ばせないのと、よく揺れるので眠れる感じでは無かったので、iPodで落語を3席ほど聞いていたら新宿に着いた。さすがに日帰りツアーはしんどいので、そのまま家に向かって、寝る前にクラスティーのサンドイッチを食べて就寝。
 タダでさえ美味しいパン屋と認識され、「白州=サントリー」の意識を変えてくれたのに、また行きたくなるエピソードがあって、これなら駒込のお店も行ってみる? という気分になったので、天候に恵まれなかったにしても、満足なツアーでした。