W-1

 今朝、バス乗り場に行くと向かいの軒先からネコが勢いよく走ってきて、足にじゃれついてきた。体をこすりつけてきて、いっこうに離れようとしない。バスが来て、強めに追い払って急いで乗ったが、特に動物好き&ネコ派とは言えないオレですら「かわいい」と思ったんだから、ネコ好きにはたまらないシチュエーションだったでしょう。
 遅ればせながらW-1のビデオを見た。全日本プロレス・武藤敬司の標榜する「ファンタジープロレス」を具現化すべく、昨年12月頭に初めて行われ、ボブ・サップ対グレート・ムタをはじめ、普段では見られないカードが組まれた。また、その週にフジテレビのゴールデンタイムで放送されたので、ごらんになった方も多いと思う。
 で、その2回目だ。今回も目玉は、ビル・ゴールドバーグやボブ・サップ対アーネスト・ホーストあたりだが、その演出はいわゆるアメリカン・プロレスをめざした文化祭レベルであった。今回から主催がフジテレビになったことで、よりバラエティ色が強くなり、前にも増して、早送りしてほとんど見ることなく終わった。というか、見るところ少なすぎ。
 たぶん、武藤敬司の発していた「プロレスLOVE」というメッセージ、BATTをくんでいたあたりは、新日本と全日本の所属選手がそれぞれの会場で戦うことがあって、それなりに意義はあったと思うが、今のメッセージは全然伝わってこないし、むしろダメだと思う。
 「プロレスのファンタジーを見せる」「プロレスの感動を見せる」というメッセージからしてダメで、いい試合をして観客なりファンなりが「すげー」と思えば、それが「ファンタジー」「感動」なのであって、試合する側、興行の側から押しつけられるものではない。その姿勢は、おこがましいとさえ思う。
 たぶん、W-1は、WWEの毎月あるPPV大会をイメージしていると思うが、それとて毎週あるRAWやSMACK DOWNなどで積み重なったストーリー、もしくは選手間のゴタゴタをPPV大会でぶつけるから面白いのだし、何より彼らはちゃんと”試合”をしている。
 武藤敬司の中では、W-1は今後年6回ペースでやっていきたいようだが、プロレスマスコミとしては「これでいいのか? W-1」と表紙でうたっていたところもあって、四面楚歌な状況ではあった。テレビの放送自体もひどい手の入れようだったが、試合自体もあまり面白くはなく、正直あれなら、GAORAでやってるJ’dのハイスパート600とか闘龍門とかの方が面白いと思う。