親がたまにPCをいじって、エクセルで勤務表を作ったりしている。1週間に2~3回ペースなので、当然、以前に教えた事を忘れていたりする。そもそも、目の前においてある「できる ノートパソコン」などを見れば書いてある。でも呼ばれて教える羽目になる。
思うに、初心者にわかりにくくさせているのが「同じ結果を得るのに、複数のやり方がある」ということではないだろうか。たとえば、「コピー」ひとつとっても、ツールバーの「編集」から「コピー」を選ぶのと、キーボードからctrl+cを押すというやり方があるわけだし、ローマ字にしても拗音を入れるのに子音と母音の間に「h」と「y」のどちらかを入れたり、単独で「l」と「x」のどちらかを付けたり。それと、ワープロ機における「コピー」とPCにおける「コピー」では動作どころか意味が違うし(これは、私もつまづいた。といっても、3.1時代だから、10年近く前になるが)、「保存」にしても「上書き保存」「名前を付けて保存」、さらにフロッピーへの保存では、それぞれクリックするところも回数も違う。ワープロ機を使っていたため、「最後に編集した文章は、電源を切ってもメモリが記憶している」「保存はフロッピーのみ」といったところが、PCでは全く通用しないので、未だに混乱しているようだ。
ツールバーで混乱する原因として、「うまくマウスを動かせない」ということもある。そのためワープロに関しては「わからなくなったら、ESCを押してメニューを出して」という意味から一太郎をインストールしておいたが、そもそも今のメニュー構成は、従前のくくりを優先したため、たとえば「文字修飾」に関する項目が「E・文字修飾」「N・文字サイズ」「W・フォント」といった具合に分かれていて、自分から見ても効率いいとは思えない。しかし、指が覚えているのと、直感的な作業ができるるので、一太郎を使っている。DOCファイルで送るときも、いったん一太郎で作ってからコンバートしているくらい。
解説本に関しては、もう半年以上前に「これを読んでおいて」と買っておいたのだが、そもそも解説本を読んだ気配が無い。もっとも、この手の本は「わからなくなったら開く」か「本を読みながら、それに載っている通りに操作する」のが原則で、本だけを単独で読んでも大して意味はないし、覚えるものではない。たまに電車の中で、エクセルだのワードだのの本を読んでいるおじさんもいるが、それは読んだだけであって、あまり意味はないと思う。車の運転でいえば、実際に何回も運転して「感覚的なもの」を身につけないとダメなのと同じである。
ただ、今のPCを習熟しようとすると覚える事項が多いというのはある。昔は電源を入れて、「一太郎」とか「ロータス」と書かれたフロッピーを入れれば勝手にアプリが起動するのでそのまま使えばよかっただけだが、今はアプリが終了したからといって急に電源を切ると、深刻ではないにしろエラーが出る。また、フロッピーを入れたまま終了させて、それを忘れて次回起動したときには、英字のメッセージが出てパニクってしまう人も多い。もっとも「フロッピーを入れたまま、電源入れたり落としたりはしてはいけない」というのは、今でこそ「フロッピーから起動しないように」という意味くらいしかないが、昔は「電源をいれた瞬間などにヘッドが予想外の動きをした場合、ディスクに傷がつくこともある」といった理由で、前から言われていたことなのだが(98の頃は、ボディ全面にスピーカーがあったため、その近くにフロッピーを置くことすら「やってはいけないこと」としてあげられていたし、今でも帯磁しているハサミやドライバーなどを近くに置くのはためらわれる)。こういった、取説や解説本にも書いてない暗黙の了解というか、決まり事みたいのがあることも、わかりにくくしている原因かもしれない。